愛知県土地家屋調査士会 裁判


日本登記研究会 NEWS

愛知県土地家屋調査士会との裁判

こんにちは、登記花子です。

今回は、
書籍『自分で登記をする会1』の企画・監修者である土地家屋調査士の河戸氏と、
河戸氏が所属する愛知県土地家屋調査士会 茶谷和裕会長・小嶋眞介副会長との
裁判『名古屋地方裁判所 平成27年(ワ)第3676号 注意勧告処分無効確認等請求事件』
について解説します。

 

なお、裁判の記録(裁判で原告と被告双方が提出した全ての書類と裁判所が作成した全ての書類)は、誰でも150円を支払えば、裁判所で見ることができます。

興味のある方は、名古屋地方裁判所の1階の閲覧係りに行き、見てください。

 

2017年3月15日、名古屋地方裁判所は、
愛知県土地家屋調査士会 茶谷和裕会長に対し、
茶谷和裕会長が河戸氏に対して行った処分は無効、慰謝料30万円の支払いを命じました。

 

 

2017年5月18日時点で、愛知県土地家屋調査士会 茶谷和裕会長は裁判で負けたことを会員に隠しているそうです。
判決の内容を会の理事にも教えないようにしているとのことです。

愛知県土地家屋調査士会が顧問弁護士に支払った訴訟費用は70万円を超えているという話しがあります。
これは会費から支払うことになるでしょう。

茶谷和裕会長は、愛知県土地家屋調査士会が裁判でなぜ負けたのか、理事はもちろん会員へきちんと説明するべきでしょう。

また、関係者は責任をとって辞任すべきではないでしょうか。

 

 

この裁判の根っこは別にあります。
根っこについては、NEWS0001 をご覧ください。

 

 

消費者の権利は守られているのか? 

この裁判の発端となった大きな原因は、下記の2つのことでした。

1:土地家屋調査士会は国民の個人情報を不当に扱っていないか(職務上請求書使用簿)
2:土地家屋調査士会は登記費用の相場を操作していないか(年計報告書)

 

2つとも、消費者に関係することですよ。

 

土地家屋調査士会について

土地家屋調査士は、表示登記の専門家であり表示登記の業務を独占しています。
土地家屋調査士になるには、国家試験に合格し、土地家屋調査士会という会に入会し会員にならなければなりません。

土地家屋調査士会(以下、会と表現することがあります)は、各都府県に1つずつと北海道に4つの合計50あり、50の調査士会を束ねるのが日本土地家屋調査士会連合会(以下、連合会と表現することがあります)です。土地家屋調査士会の親分ですね。
 土地家屋調査士会会員数は17,301名  2015.4.1現在

 

 

土地家屋調査士は、秘密保持の義務、いわゆる守秘義務があります。
個人情報保護法が平成15年5月に公布され、平成17年4月に全面施行されました。

土地家屋調査士法 第24条の2
「調査士又は調査士であつた者は、正当な事由がある場合でなければ、業務上取り扱つた事件について知ることのできた秘密を他に漏らしてはならない。」

土地家屋調査士は、業務を行う上で得た個人情報は他者に漏らしてはいけないと法律で定められています。

しかし、
土地家屋調査士会・日本土地家屋調査士会連合会は、日本全国の土地家屋調査士から、 業務上知り得た個人情報である依頼者名・誰の戸籍や住民票を取得したか、依頼を受けた仕事の件数・依頼を受けた金額などの個人情報を強制的に収集しています。

土地家屋調査士会・日本土地家屋調査士会連合会は、これらの情報を収集するために、毎年、『年計報告書』と『職務上請求書使用簿』という2つの書類を全国の土地家屋調査士に強制的に書かせ、情報を収集しています。

他の資格業である「弁護士会」・「司法書士会」・「税理士会」などは、このような個人情報の強制収集は行っていません。

1:土地家屋調査士会は国民の個人情報を不当に扱っていないか

土地家屋調査士は、仕事を行う上で必要な依頼者の戸籍や住民票、土地の境界を決める際の隣接地の所有者の戸籍や住民票などを取得することができます。


戸籍や住民票などを委任状なしで勝手に取得できるのが「職務上請求書」です。
「職務上請求書使用簿」は、「職務上請求書」をいつどこで誰の何を取得するために使用したかを管理するための使用簿です。

職務上請求書使用簿には、いつ、誰からの依頼で、誰の何を取得したかを記載するようになっています。

 

例えば、
鈴木一郎から依頼を受けた土地家屋調査士 高橋は、鈴木一郎が所有する隣接土地所有者である他人の佐藤太郎の住民票を取得します。

そして、土地家屋調査士 高橋は、個人情報である「鈴木一郎」と「佐藤太郎」の名前を「職務上請求書使用簿」に記載し土地家屋調査士会と日本土地家屋調査士会連合会へ提出します。


弁護士、司法書士、行政書士、税理士などにも同様のものがあります。

弁護士は弁護士会へ
司法書士は司法書士会へ、
行政書士は行政書士会へ、
税理士は税理士会へ、
職務上請求書の使用に伴い、会へ報告しますが、
依頼者名及び関係者の名前のような個人情報の記載欄はありません。

 

土地家屋調査士会・日本土地家屋調査士会連合会だけが、個人情報を過剰に収集しており、
土地家屋調査士は、個人情報を第三者に漏らしていると言えます。

 

 

愛知県土地家屋調査士会は、職務上請求書使用簿の記載例を間違え、過剰に個人情報を取得していたことを認めています。会員へ訂正の説明を行っています。

 

2:土地家屋調査士会が登記費用を操作していないか

土地家屋調査士は表示登記という業務を独占しています。土地家屋調査士の資格がない人は表示登記の仕事はできないのです。
この表示登記の業務の報酬額を土地家屋調査士会の親分である日本土地家屋調査士会連合会が金額を決め、報酬規程というものを作りました。
報酬規程よりも安く業務をやってはいけないとし、自由競争を阻害していました。
国民にとっては迷惑な話ですね。

 報酬規程について詳しくは→ 登記費用について

 

日本土地家屋調査士会連合会は、個々の土地家屋調査士が報酬規程を守っているかを確認するために、個々の土地家屋調査士が依頼を受けた仕事の件数・依頼を受けた金額(報酬額)などを『年計報告書』という書類に記載させ強制的に提出させ会員を牛耳っていました。

こうすることで、日本土地家屋調査士会連合会が表示登記の相場を作り儲かる業務を独占する仕組みが構築されていました。

 ※『年計報告書』は会則で会員は提出することが義務となっており、会員である土地家屋調査士は提出しないと罰せられます。

 


しかし、違法行為は続きません。
日本土地家屋調査士会連合会は、公正取引委員会から独占禁止法違反に抵触する可能性があると指摘を受け、報酬規程は撤廃、平成17年から報酬額は個々の土地家屋調査士が自由に決めることになりました。

 

報酬規程が撤廃されたことで、『年計報告書』に金額を記載することは本来必要がないと思われますが、日本土地家屋調査士会連合会は未だに金額(報酬額)の項目を削除していません。
今なお、全国の土地家屋調査士に金額を書かせているのです。

そこには、このような知恵があるのです。
独占禁止法に抵触しないように、金額(報酬額)の欄への記載は強制とはせず任意としたのです。

会員である土地家屋調査士には強制から任意に変更したとは説明せずに。

ずる賢いですね。

 

 

金額(報酬額)の記載が任意という説明を受けていない土地家屋調査士の100%近くは、
毎年、『年計報告書』に金額を記載し、土地家屋調査士会・日本土地家屋調査士会連合会へ『年計報告書』を提出しています。

 

参考までに、日本土地家屋調査士会連合会は、別に定期的にアンケートをとり、金額(報酬額)をホームページにて発表していますが、これは相場を創り出していると考えられます。

消費者は相場より同じか安いと安心する傾向があります。自由競争を阻害していると言えるのではないでしょうか。

 

 

裁判への経緯

2008年(平成20年)、
河戸氏は、日本土地家屋調査士会連合会が個々の土地家屋調査士が入手した個人情報を強制的に収集することは違法行為ではないかと疑問に思っていました。

そこで、
河戸氏は、個人情報保護と守秘義務、独占禁止法の観点から、「依頼者名などを漏らすことは違法行為ではないか」と愛知県土地家屋調査士会に対し質問しました。

しかし、会は、河戸氏の質問には回答せず、「年計報告書」と「職務上請求書使用簿」を提出するよう連絡してきました。

河戸氏は、「違法行為には加担できないので、法律違反でないことが明確にならないと提出ができない」旨を伝え、提出を留保しました。

 

こういったやり取りが

2009年(平成21年)

2010年(平成22年)

2011年(平成23年)

2012年(平成24年)

2013年(平成25年)

と毎年繰り返されます。

この間に、愛知県土地家屋調査士会の会長や副会長、理事が何度か変わります。

会長が「茶谷和裕氏」、年計報告書の取扱の責任者である副会長が「小嶋眞介氏」になった時のこと

愛知県土地家屋調査士会は河戸氏からの質問を無視したまま、
愛知県土地家屋調査士会は、河戸氏の会則違反を理由に取り調べを行います。

愛知県土地家屋調査士会綱紀委員会が河戸氏を取り調べますが、
この際に綱紀委員会は茶谷和裕に対し河戸会員に対し説明するよう意見します。

愛知県土地家屋調査士会会長である茶谷和裕会長は、
綱紀委員会からの意見も、河戸会員からの質問も無視したまま、
有無も言わせず、
いきなり、平成26年8月22日に河戸氏に対し注意勧告の処分を下しました。

 

こうして裁判へ突入します。

 

裁判の争点

(1)注意勧告は無効か

(2)注意勧告をしたこと及び注意勧告に至る愛知県土地家屋調査士会の対応について不法行為が成立するか

(3)慰謝料額

 

 

 

裁判の内容については、この裁判の資料を読んでください。

 

この裁判の資料を希望される方は、日本登記研究会までお知らせください。

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